はじめてのギター道具帖

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Fが押さえられない時は、カポで「Fのない形」にして弾こう

書いた人:こばと

弾きたい曲のコード譜に、Fが出てくる。押さえてみても、音がつまって鳴らない。そこで手が止まってしまう人は多いと思います。

この記事では、カポを付けて、Fを使わない形のまま、同じ高さで1曲弾き切るやり方をまとめます。

Fでつまずくのは、よくあること

Fは、人差し指1本で何本もの弦をまとめて押さえるコードです。はじめての人には、とても力が要ります。

Yahoo!知恵袋で「Fコード 押さえられない」と調べると、7,000件をこえる質問が出てきます(2026年10月に見た時)。今年に入ってからも、新しい質問が続いています。

押さえられないのは、あなただけではありません。

カポで「Fのない形」になるしくみ

カポは、ネックにはさんで、全部の弦の音をまとめて上げる道具です。1フレット上に付けるごとに、音は半音ずつ上がります。

たとえば、カポ3でDの形を押さえると、鳴る音はFになります。Dから半音ずつ3つ上がると、D → D♯ → E → F だからです。

つまり、Fの形を押さえなくても、Fの音が出せます。曲全体でこれをやると、もとのコード譜と同じ高さのまま、押さえやすい形だけで弾けることがあります。

置き換え表:よく出てくるコードで、表を選ぶ

コード譜を見て、Fといっしょに、どのコードがよく出てくるかを見ます。それで、下の表Aか表Bのどちらかを選びます。

表A:C・G・Am・Dm・Em といっしょにFが出る曲 → カポ5・Gの形

カポ5を付けると、どのコードも半音5つ分上がります。Gの形がCの音に、Cの形がFの音になります。

ひとつ気をつけたいのは、もとのEmがBmになることです。Bmも、人差し指で何本もの弦を押さえるコードです。はじめは、Emの少ない曲から選ぶと楽です。

表B:F・B♭・C・Dm・Gm がよく出る曲 → カポ3・Dの形

この表では、Fだけでなく、B♭も押さえやすいGの形になります。

ただし、もとのDmはBmに、もとのAmはF♯mになります。この2つも、人差し指で何本もの弦を押さえるコードです。DmやAmの少ない曲から始めましょう。

表に無いコードが出てくる曲は、この表だけでは置き換えきれません。はじめは、表のコードだけでできている曲を選ぶのがおすすめです。

もとのコード譜に、もうカポの指定がある時は、表のカポの数に、その数を足します。たとえば「カポ2」の指定がある曲で表Aを使うなら、カポ5+2でカポ7です。

手順:コード譜を書きかえて、1曲弾く

  1. コード譜を印刷するか、紙に書き写す。
  2. よく出てくるコードを見て、表Aか表Bを選ぶ。
  3. コード名の上に、置き換えた形の名前を鉛筆で書く。全部書いてから弾くと、弾きながら迷いません
  4. カポを付ける。表Aならカポ5、表Bならカポ3。フレットのすぐ手前に、まっすぐ付けます(付け方は「カポの使い方」にまとめています)
  5. チューニングをたしかめる。くわしくは下の「カポを付けたら、音をたしかめる」へ
  6. 書きかえたコード名を見ながら、1曲通して弾く。まちがえても止まらずに、最後まで行ってみましょう

同じ高さでも、押さえる形がちがうので、響きは少し変わります。もとの曲と聞きくらべて、好きな方を選んでください。

自分の声に合う高さにしたい時は、カポの位置を動かします。その探し方は「カポの使い方:キーの合わせ方と、曲の途中での付け替え」にまとめています。

わたしが使っているカポ:カイザー(Kyser)Quick-Change KG6

わたしが使っているのは、カイザー(Kyser)の「Quick-Change KG6」(アコギ用)です。いちばんの理由は、片手でつまんで、1〜2拍のすき間で付け替えられること。曲の途中でキーが上がる曲にも強いです。

カイザーには、アコギ用・エレキ用・クラシックギター用などがあります。自分のギターの種類に合う物を選んでください。

カポを付けたら、音をたしかめる

  1. カポを外したまま、ふつうにチューニングする。
  2. カポを付けて、置き換えた形のコードを1つ鳴らす。
  3. 変に聞こえたら、カポを付けたまま、チューナーで1本ずつ見る。

カポを付けたままチューナーで見ると、ふつうの設定のままなら、画面に出る音の名前が、カポの数だけずれます。弦を押さえずに鳴らした時、こう出れば合っています。

チューナーによっては、A♯がB♭と出ることもあります。どちらも同じ音です。チューニングの手順は「クリップチューナーでのチューニングのしかた」にまとめています。

わたしが使っているのは、ダダリオ(D'Addario)のクリップ式チューナー「Eclipse(PW-CT-17BK)」です。決め手は2つ。暗い所でも画面が光って見やすいことと、ヘッドに付けっぱなしにできることです。

押さえる力そのものを、軽くする

Fにかぎらず、押さえるのがつらい時は、弦の太さも見直してみてください。弦を細くすると、弦の張りがゆるくなり、軽い力で押さえられます。そのかわり、音量と音の太さは少し下がります。

弦の太さの呼び方や選び方は「指が痛い時は弦を見直す:アコギ弦の太さの選び方」にまとめています。

わたしが使っているのは、エリクサー(Elixir)のアコースティック弦「カスタムライト」です。わたしは手汗が多いほうなので、さびにくいコーティング弦にしています。カスタムライトにしたのは、わたしのアコギとの相性がよかったからです。

カポに頼ると、先がない?

「カポでFをよけていたら、いつまでもFが弾けないのでは」と心配する人もいます。

楽器屋さんの記事でも、どうしても押さえられない時は、押さえやすい簡単なFで弾きつづけて、慣れてきたらもう一度ふつうのFに挑戦する、という流れが紹介されています。

わたしは、カポで形を変えるのも、同じ考え方だと思います。

まずは、Fを使わずに1曲弾き切る。曲を最後まで弾けると、ギターを続ける楽しさが出てきます。Fは、そのあとでゆっくり取りもどせばいいと思います。

まとめ

  1. カポ3でDの形を押さえると、鳴る音はFになる
  2. C・G・Am・Dm・Em の曲は「カポ5・Gの形」、F・B♭・C・Dm・Gm の曲は「カポ3・Dの形」
  3. カポを付けたら、音をたしかめる。押さえるのがつらい時は、弦の太さも見直す

今日できることは、Fが出てくる曲を1曲えらんで、コード譜の上に、置き換えたコード名を鉛筆で書き込むことです。書き込めたら、カポを付けて1回通して弾いてみてください。

カポの付け方や、声に合う高さの探し方は「カポの使い方:キーの合わせ方と、曲の途中での付け替え」に、弦の太さの選び方は「指が痛い時は弦を見直す:アコギ弦の太さの選び方」にまとめています。